テントサウナは、どこでも持ち運べてサウナが楽しめるという大きなメリットがある反面、使用方法を間違えれば命に関わる危険が潜んでいます。
テントサウナを楽しむ上で、安全は最優先事項です。
どうやったら安全にテントサウナを楽しむことができるのか、どんな危険が潜んでいるのかを深く理解して使用することが重要です。
NPO日本テントサウナ安全協会が発行している安全講習テキストにも詳しい情報が載っておりますので、併せてご一読いただけますと幸いです。
テントサウナに潜む危険について
テントサウナの使用方法を誤ると、命に関わる危険があります。
潜んでいる危険は大きく分けて以下の3つになります。
- 一酸化炭素中毒
不安全なテント及びストーブの設営により、一酸化炭素がテント内に充満し一酸化炭素中毒になる可能性があります。
一酸化炭素は「無色透明、無味無臭」の有毒ガスです。
血中のヘモグロビンと結合することで、身体に酸素が行き渡らなくなり、重度の症状では多くの場合死に至ります。
<参考>:一酸化炭素中毒について - 火傷や火災
薪ストーブを使用する際は、火傷や火災に注意しなければなりません。
設営時に安全確認を徹底する必要があります。 - 水難事故
水風呂がわりに、川や海などに入る際は、水難事故に十分注意する必要があります。
想像している以上に川や海は危険です。雨が降って増水していたり、ダムの放流がある可能性があるため、事前確認は徹底して行う必要があります。
テントサウナをやる上で、守るべき重要事項
前述した危険を回避するために、以下の事項は必ず守りましょう。
- 吸気口は必ず開ける
テントには吸気口がついています。
これは薪ストーブの燃焼で使われた空気が煙突から出ていくため、新鮮な空気を外気から取り込むために吸気口が使われます。
吸気口が閉じていると、十分な吸気が行われないため、テント内の酸素濃度が低下したり、燃焼で使われた空気が逆流して一酸化炭素がテント内に流出する恐れがあります。
石油ストーブ等を使用する際も吸気や換気は絶対にしてください。
もし吸気口がないテントがある場合は、薪ストーブを使用すると大変危険なので使用をやめるか、電気ストーブのみを使用するようにしてください。
- 折りたたみ式薪ストーブは使わない
折りたたみ式薪ストーブは構造上、接合部分が弱いです。
ロウリュをしてストーブに温度変化が起きると、接合部分に隙間が生じて一酸化炭素がテント内に流出する恐れがあります。
薪ストーブを使用する際は、折りたたみ式ではなくテントサウナ専用に設計されたものを使用してください。
<参考>:折りたたみ式ストーブの販売事例
引用元:Amazon URL:https://onl.sc/gMzUN9P - 炭は使わない。熾火(おきび)に気をつける
薪ストーブは煙突を温めることによるドラフト効果によって、一酸化炭素などの有毒ガスをテントの外へ排出して、新鮮な空気を吸気しています。
炭や熾火では煙突が充分に温まらず、有毒ガスが排出されずテント内に流出してしまう可能性があります。
熾火は炎が出ずに赤く光っているだけの状態で、一酸化炭素が発生しています。
薪ストーブ内の薪から炎が出ず熾火になっていた場合は、テントの出入り口を全開にして換気し、新たな薪を投入して着火したことと、煙突から煙がちゃんと出ていることを確認してください。
上記のことが確認できたら、テントの出入り口を閉じて再度テント内の温度を上げましょう。 - 強風、突風に気をつける
テントサウナは横風に弱いです。強い横風によりテントが揺らぎ、煙突の接合部分がズレたり、煙突が倒れる危険性があります。
また、煙突部分に強い風が吹くことで、排気できない状態になり一酸化炭素がテント内に流出する可能性もあります。
安全上、普通の設営をしている際には「風速5m以上」ではテントサウナの使用をやめることを推奨します。
煙突接続部を金属製の自在バンドでしっかり固定している場合は、「風速10m程度」までは煙突が傾いてしまうのを防ぐことができます。
突風が吹く可能性もあるため、テントを設営するときは必ず四方をロープとペグで緩みなく固定し、テントがグラつかないかを確認してください。 - 薪入れ時の注意点
薪ストーブを使用する際は、薪入れが必要になってきます。
薪入れする際は必ず耐火グローブと薪トングを使用して、火傷に十分注意してください。(僕も薪入れが慣れていない時に何度も火傷したことがあります)
また、薪ストーブの薪入れ口を開けた時、一酸化炭素がテント内に流出する可能性があります。
薪入れする際は必ずテントの出入り口を開けて換気した状態で行ってください。
<参考>:革手袋、薪トング - 火災に気をつける
薪ストーブを使用する際は、火災に十分気をつけなければなりません。
薪ストーブを設置する場所が草地の場合は、薪ストーブの下にスパッタシートを置き、燃えるのを防ぎます。
また、テントサウナ用の難燃性テントを必ず使用して、ストーブの日が燃え移らないようにしてください。
ストーブの周りを囲うストーブガードがあれば、火傷や火災から身を守ることができるためオススメです。
<参考>:ストーブガードを制作している会社 - サウナストーンは専用のものを使用する
サウナ専用の石は、石に隙間が生じない組成のものが選ばれています。
河原にある石やその辺に転がっている石を使用すると、ロウリュした際に石の隙間の水が気化で急膨張し、石が爆ぜて飛び散る恐れがあります。(様々なYouTubeやブログ等で河原の石を使った投稿がありますが、危険ですので真似しないようお願いします。)
サウナで使用する石は、必ずサウナ専用のものを使用するようにしてください。
<参考>:サウナ専用のサウナストーン
引用元:Sotoburo URL:https://www.sotoburo.jp/products/sauna-stone - 川や海等の水位や流れに気をつける
テントサウナは川や海の横でサウナが楽しめるのも魅力の一つです。
しかし、自然の環境を利用する際には相応の注意が必要です。
晴れている日でも、前日に大雨が降っていれば川の水が増水しており、簡単に流される恐れがあります。また、ダムが上流にある川も注意が必要で、急な放流によりあっという間に川の水位が高くなります。
そんなに急流じゃないと思っていても、腰まで浸かれば大人でも簡単に流されてしまうことも頭に入れておいてください。
水位が高くなっていないか、流れは急じゃないか、ダムの放流はないかを事前に確認した上で楽しむことが重要です。
以上のことがテントサウナを楽しむ上で特に注意すべき事項になります。
また、当店のオーナーはNPOテントサウナ安全協会が発行している「JTSAテントサウナ安全運営アドバイザー資格」を保有しているため、正式なテントサウナの安全講習や実技試験を行うことができます。
受講したい方がいらっしゃいましたら、お気軽にお申し付けください。
次回は、安全に楽しむためのテントサウナの具体的な設営、運営、撤収方法を説明いたします。
安全第一で、至福のテントサウナライフを!
今回は以上です!
<参考文献>NPO日本テントサウナ安全協会 安全講習テキスト
この記事へのコメントはありません。