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サウナにおける「輻射熱」について
前回のマニアックシリーズでも書きましたが、サウナにおいて身体が温まる仕組みの一つに「輻射熱」があります。
サウナの温かさは、単に空気が熱いだけではなく、熱源から放射されるエネルギーが大きな役割を果たしています。
今回は、サウナにおける輻射熱について、計算式や影響を与える要素を深掘りしてみます!
輻射熱の計算式と意味
輻射熱は、熱源から放射されるエネルギーのことを指し、次のような計算式で求められます。
E=σ⋅ϵ⋅A⋅(T1^4−T2^4)/r^2
ブログだとちゃんと式が書けないからめっちゃわかりにくい、、
と思ったら画質悪いけど数式の画像出力ツールがありました

ここで、
- Eは放射される熱量 (W)、
- σはステファン・ボルツマン定数 (5.67 × 10^-8 W/m²·K⁴)、
- ϵは放射率(物質ごとの放射熱量の効率を示す定数)、
- Aは見えている表面積 (m²)、
- T1は熱源の表面温度 (K)、
- T2は周囲の温度 (K)
- rは熱源からの距離(m)
この式により、輻射熱は主に以下の要素に影響されます:
- 見えている面積:熱源の「見えている面積」が大きいほど、輻射熱が多く発生します。サウナ内ではストーブや、壁や天井、床などの表面積が熱源として作用し、輻射熱を身体に伝えます。当店では、ストーブガードを使用して輻射熱を適度に遮断し、体感温度のコントロールをしています。
- 熱源からの距離:熱源から離れるほど、放射される熱量は減少します。距離rが増加すると、放射熱の強度は1/r²の法則に従って減少するので、例えば熱源からの距離が2倍になると、輻射熱は1/4に減少します。逆に、距離が半分になると放射熱は4倍に増加します。
サウナ室の壁の素材や表面荒さが放出率に与える影響
余談ですが、サウナの壁や天井などの素材、またその表面の荒さも輻射熱に影響を与えるみたいです。
例えば、サウナ室の壁が金属だったら高い放射率を持っており、熱を効率よく反射させるのでより熱い体験になる。一方で、木材は比較的低い放射率ですが、その表面が荒れていると熱放出が増えます。
表面が滑らかなものよりも少し粗い面の方が、放出される輻射熱が増えるので、体感温度を上げたいならツルツルピカピカは避けたほうがいいかもね!どれくらい変わるかは比較したことないけど!
参考:https://www.hakko.co.jp/library/qa/qakit/html/h01070.htm
輻射熱の特徴とサウナ内での影響
サウナ内で体感する温かさの多くは、輻射熱に起因しています。輻射熱は熱源から発せられたエネルギーが、空気を介さずに赤外線として体に届きます。
例えば、サウナの壁や天井、サウナストーブやサウナストーンなどが輻射熱を発生させ、それぞれが体に直接熱を伝えることで、全身を効率的に温めることができます。
輻射熱は空気を温めることなく、直接体にエネルギーを伝えるため、空気の温度や湿度に関係なく、体の表面まで熱が伝わります。これが、サウナで感じる「ストーブ近くのヒリヒリするような熱さ」や「体全身が包み込まれるような柔らかい熱さ」の正体です。
スチームジェネレーターによる過熱水蒸気と輻射熱
Sauna Base SHIFUKUでは、madsaunistが開発したスチームジェネレーター「ウロボロス」を使用して「過熱水蒸気」を発生させています。
この水蒸気は単に熱い蒸気なだけでなく、輻射熱の発生源となります。
過熱水蒸気は、水が蒸発して気化し、そこからさらに加熱された状態でサウナ内に放出されます。
水蒸気自体が熱源となり、周囲の空気や壁、そして体に向かって輻射熱を放出するため、体全身が熱に包まれるような感覚が生まれ、室温が低くても体感温度が高くすることができるんです。
(僕の感覚的には室温+20℃〜+30℃)
まとめ
サウナ内での体感は輻射熱によって大きく左右されます。
サウナ内の素材やストーブの位置、見えている表面積の設計、さらに水蒸気などの利用によって、身体が効率的に温まる仕組みを成り立たせることが可能です。
Sauna Base SHIFUKUでは、この理論を基に、より気持ちいい体幹のサウナ体験の提供を目指しておりますので、これからもサウナのレベルアップに努めてまいります!
今回は以上です!
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